社会課題11 感染症を抑制しパンデミックのない社会を実現する

この社会課題は上記のSDGsの目標達成につながります。

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社会課題の概要

感染症の原因理解・予防・封じ込めという大きな課題が、世界規模で存在している。基本的な医療の知識が浸透し、処置等を自立して考え実施することができる公衆衛生教育の確立および、エイズ、結核、マラリア及び熱帯病などの感染症の病原菌あるいは感染者の検出、ワクチン投与、治療等によって感染症を防ぐことで、パンデミックを起こさせない社会を実現することが、医療の進化の大きな一歩となる。 具体的には、三大感染症がその代表として、挙げられる。 まず、結核である。結核の解決は、年間150万人の患者の命を救う。 結核は、患者の咳、くしゃみなどの日常的な場面から感染する。 この結核菌を持つ潜在患者は、全世界の3人中1人いると言われている。 近年では薬剤が効かない患者が生まれおり、薬剤の耐性を持つと、強い副作用を伴う高額な治療が必要になる。また、治癒率は30%を切り、高確率で死に至る。 すでに薬剤耐性を防ぐ取り組みが進んでおり、実際に効果をあげているものの、耐性を持つ患者は新たに年間約50万人規模で増えている。 これは途上国だけの問題ではなく、 たとえば、日本は多湿な気候から結核が起こりやすく、今後は高齢化によってさらに患者数が増加する可能性が高いとみられている。 この問題に対応するため、現在は、紫外線による空気殺菌など、発症以前の感染から食い止める技術開発が進められている。 つぎに、HIVである。HIVのウイルスの特効薬が開発されれば、年間約100万人の命が助かり、感染者約3,000万人以上も服薬生活を終えることができる。 HIVウイルスは人から人へと感染し、平均10年間の潜伏期間を経て、AIDSを発症するとされる。ただ、研究の成果は目覚ましく、近年では、早期に服薬治療を開始すると通常の生活や余命を得ることが出来るまでに状況が改善している。 最後に、マラリアである。マラリアの解決は、年間約40万人の命を救う。 マラリアとは蚊を媒介して発生する感染症で、40度近くの高熱と下痢によって数日置きにうなされる症状が出まる。最悪の場合は、死に至るケースも少なくない。 その生体は特殊で、遺伝子を変化させて薬剤への耐性を獲得していくことから、有効なワクチンの開発が長らく困難であった。近年になって、ようやくマラリア重症化のメカニズムが解明されたものの、ワクチンはまだ実用化には至っていない。 マラリアも途上国だけの問題ではない。。 たとえば日本のように既にマラリアの流行が収まった国でも、温暖化や自然災害により天候が変化した場合には再び流行を起こす可能性があると指摘されている。よって、即効性の高い治療法の開発は、どの国においても有事の対策として重要であると言える。 そこで現在、マラリアを迅速・正確に検出する人工知能を搭載した顕微鏡の開発などが進められ、マラリアのない社会の実現に向けた動きが世界中で起きている。 しかし、現在もまだ多くの課題が残されている。 その1つに、後進国では治療薬の入手が難しい現状である。もし治療が遅れた場合、余命は半分まで削られると言われている。仮に服薬出来たとしても、治療は一生継続され、その間に重篤な副作用を引き起こしたり、がんや結核等の合併症を発症する可能性も少なくない。 他にも、高齢化の進む先進諸国において、HIVウイルス感染者が透析医院や介護施設でスムーズに受け入れられるかどうかという今後の課題が挙げられる。 こうした状況の改善に向け、現在では人工知能を活用してこれまでとは異なった切り口でウイルスの情報解析を進めるなど、多様なアプローチが生まれつつある。 この三大感染症を含めて、少しづつパンデミックのない社会の実現が叶いつつある。 パンデミックとは、ヒトや家畜などの生物に広範囲で広がる感染症を指す。代表的な例として、上記以外では、スペイン風邪では約5,000万人、新型インフルエンザでは約28万人が挙げられる。 各国では、早期診断、抗ウイルス薬による感染症防止対策がされており、たとえば近年日本では、感染症の検査や研究体制の整備が進み、他国との遅れを取り戻しつつある。 しかし、遺伝子の変異や新型インフルエンザなどの新たな感染症が生まれる可能性を考慮すると、現状の対策では不十分だと言われている。 この問題を解決するために、感染症の原因となる菌を撲滅出来る技術などの開発が現在進んでいる。

この社会課題に取り組んでいる企業

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すべての人に健康と福祉を

「感染症を抑制しパンデミックのない社会を実現する」はSDGs17目標のうちの「すべての人に健康と福祉を」と紐付いており、その中の下記のターゲットと関連しています(参照: ユニセフ:持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット

3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。

3.d 全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。