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未来でつながるヒトと企業

THK株式会社/採用担当者編「実現したい未来でつながるヒトと企業」Vol.7 ロボットエンジニアのキャリアの作り方

直動案内部品など世界中で高い品質が支持されている大手機械部品メーカーのTHKにおいて、新たな事業開発分野である、ロボット開発部門の責任者として開発を推進してきた永塚シニアプロデューサーに「事業をつくり、ロボットをつくり、キャリアをつくる」というテーマで、いかなるビジョンとマインドをもって働いているのかをお伺いしました。


今回取材にご協力いただいた永塚様

■THKのロボット事業について

我々は事業開発統括部という部署で、新規事業を開発するというミッションで、サービスロボット事業の立上げを行っています。現在ロボットは産業ロボット・協働ロボット・サービスロボットと分類されていますが、工場などの閉鎖環境以外で、活用するロボットは今すべてサービスロボットと言われています。

我々が開発しているサービスロボットは、基本的にバッテリーで駆動して、移動ができて、一般的な人の中で、安全に活動ができます。実世界に作用することを目的としています。

我々は人間が遠隔操縦することで動くロボットの開発に取り組んでいます。現時点ではAIを利用しても、適切にワークしてくれないので、人間が裏側にいて、遠隔操縦することで、1人の人間が、場所と時間をシェアして働けることを目指しています。

私の部署では、人間でいうと前頭葉以外のすべての機能を自前で開発しています。ロボットのモーターを制御するレイヤーや、ロボットを統括的にコントロールするレイヤーなど、担当や役割は大まかに決まっていますが、開発の状況に合わせて、バランスを取りながら、業務を進めています。

■サービスロボット事業の経緯

そもそも当社がサービスロボット事業を始めるきっかけは、当社の方針として、まずはロボットハンドの開発に着手することを決めて、13年前にNEDOとJAXAのロボットハンドの開発プロジェクトに選定されたことからスタートしました。

当時は開発メンバーも少ない状況で、自分も転職することでジョインして、宇宙活動支援ロボット「REX-J」の開発に携わり、実際に宇宙に打ち上げて、実証実験を行いました。

その後、ハンド以外のロボットの開発に領域を拡げていきました。元々、当社は部品メーカーですので、ロボットを販売することは想定していませんでした。

昔から等身大のロボットを手掛けたいと考えていたので、実際にプロトタイプを試作してみました。結果、実際にロボットを使いたいと言っていただける企業が現れたことから、受注生産するようになり、現在に至っています。

■ロボット開発のおもしろさ

実際にはロボットの開発を進めていくのは簡単なことではないです。個人としても、誰も実現したことのない最先端のことを考えて、試行錯誤を繰り返しながら、それをチームとして、様々な役割の人や機能とバランスを取りながら進める必要があります。

上司や先輩にも答えが出ていない課題を解決していくので、自分自身でAIやROSなどを勉強しながら、業務に取り組む必要があります。だからこそ自分で作りたいものがある人には非常に面白い状況であり、環境だと思います。

現在、自分はメカ設計エンジニアを主軸とて、開発のすべてを統括し、事業マネジメント全般の業務を行っています。ロボット開発はハード・電気・ソフト・運用まで理解しなければならないですし、現在はビジネスを展開するためのエコシステムまで考える必要があります。壮大なビジョンを思い描きながら、緻密に機体の設計・開発を考え抜くことにロボット作りの醍醐味があると思っています。

自分はいつまでも最前線でロボット作りに携わっていたいと考えています。だから自分がロボット作りに直接的に関与できるように全体をマネジメントしています。一定以上の年次や役職になると、現場を離れて、プロジェクトマネジメントなどに専念することもあるとは思いますが、自分のキャリアを構築していく上で大切なことは、自分のやりたい仕事を一定の割合で確保できるように、組織や経営層などの多くのステークホルダーをマネジメントしていくことだと思います。

今度、リリースを予定しているロボットについてはリーダーに任せています。特定用途向けに絞って、価格も現在の半分程度に抑えて、多くの人に利用いただきたいと思っています。自分はその後に計画しているロボットの機能と実装について、日々、構想を思案しているところです。


永塚チームが開発したロボットがお出迎え

■2025年の本格的なロボット社会に向けて

当社は元々部品メーカーですので、ロボットを部品として提供することで最終的にビジネスの成長を計画しています。今後は、現在のSIerのような立ち位置で多くのロボットサービスプロバイダー企業が立ち上がり、ロボットを利用する状況に応じてカスタマイズして、最適なサービスを提供していく時代が来るのではないかと考えています。その時に当社がロボットの筐体を提供していければ、社会に大きく貢献できるのではないかと考えています。

いま日本でもロボットベンチャーが増えてきていますが、さらに参入する企業が増えて、活性化していってほしいと思います。ロボットが社会に認知・浸透されていくには時間が必要ですが、人口減少によって労働力の確保が難しくなり、ロボットなしでは社会が回らない時代はすぐにやってきます。

その時に安全・安心なロボットを提供できるように、現時点では常にロボットを改良しながら、動かし続けて、稼働実績をつくることで、信頼性を積み上げていく必要があります。

2025年頃にはロボットが本格的に普及していくだろうと考えていて、家庭用サーバントロボットが1家に1台あるような状況を想定しています。当初はモノをA地点→B地点に移動させる機能にフォーカスして、片付け業務ができるロボット開発を進めていこうと思っています。

現時点でも、ロボットは遠隔操作を利用することで、様々な作業ができるのですが、AIを活用したロボットはまだ複数のタスクを処理することができません。AIの進化がもう1段階上がり、第4次AI革命が起きて、ロボットにとってのWindowsとも言えるような汎用的なソフトが開発された時に、急速に性能と普及が進んでいくのではないかと考えています。

ロボットが事業として成長していく過程においては、今後も多くの苦労があるとは思いますが、経営的に安定していて、それでいてベンチャー企業のような自由な環境で開発を進めていきたいと思います。


ヒューマノイド型サービスロボット:SEED-Noid

※THK社における採用成功事例の記事はアスタミューゼの採用サービスや転職支援サービスのSCOPE活用事例を基に作成しております。
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THK株式会社
豊富な製品群と国内外で2,000以上の特許を誇る機械要素部品メーカー。
1972年に世界で初めてLMガイド(Linear Motion Guide:直線運動案内)を開発したパイオニアであり、日本国内約70%、世界でも60%を超える高いシェアを誇る。
LMガイドをはじめとする製品は、工作機械、産業用ロボット、半導体・液晶製造装置などに利用され、高精度化・高速化・省力化を促進し続けている。
https://www.thk.com/?q=jp

インタビューご協力者:永塚様
THK株式会社
産業機器統括本部 技術本部 事業開発統括部 永塚ビジネスユニット
シニアクリエイティブプロデューサー

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