健康寿命の長い社会を実現する
健康高齢者の拡充・高齢医療の社会負担低減は、加齢に伴う身体的・認知的能力の低下を抑制し、介護が不要で自立した生活を送ることができる期間を延伸することで高齢者医療の社会的負担も低減する。
また日本国内では、65歳以上の高齢者のうち半数以上が一人暮らしや高齢夫婦同士での生活を営んでいて、日々の生活に必要な家事・買い物などの作業が負担となっていると言われている。
さらに、このうちの約半数は、要介護者を抱える「老々介護」状態と言われており、自分自身と家族の病気に関する問題に直面している。
介護を必要としない健康寿命は、人生100年時代と言われる、これからの未来に非常に重要な課題である。
日本の介護費は、2018年度には11兆円を上回るとも言われており、この問題を解決しようと、家事ロボットの開発や介護の肉体的負担を軽減するパワードスーツ、医療サービスを自宅・遠隔で受ける技術などの技術が実用化に向けて開発されている。
近い未来、政府の財政面はもちろん、高齢者と家族の暮らしやすさが実現するために、医療とテクノロジーによって、高齢者の健康寿命をいかに伸ばしていくか、今後、非常に重要な官民の取組が期待される。