5年先の社会を発信するラボ
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未来を創る成長領域

134.スポーツ観戦・体感

市場概要

日本では2019年から2021年にかけてラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームなどのメガイベントが続き、単に既存のスタジアムやアリーナを改修するだけではなく、スポーツ観戦にIT技術を活用して新たな情報収集や観戦スタイルを提供し、カスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値)を上げるための様々な取り組みが行われている。

我が国のスタジアムやアリーナといった大規模スポーツ施設は、国民体育大会を契機に公的資金によって整備されてきたものが多く、いわゆる「国体基準」と呼ばれる設計で収益性の観点が乏しいことが多かった。そのため、スポーツに「産業」を組み込むべく、現在進められているスタジアム・アリーナの改革としては、ひとつはスポーツ産業を活性化させる核としてのインフラ整備であり、もうひとつは観客に新たな異次元の体験を提供するスマートスタジアム化である。

前者の例としては、横浜スポーツタウン構想があり、横浜スタジアムの物販、飲食、宿泊など附帯設備の整備を行うと共に、観光や医療/健康、交通、教育、アパレルなど他産業との融合を目指し、スタジアムを核とした街づくりが進められている。また、後者の例としては、米国のLevi’s Stadiumがあり、高精細大画面モニターやサイネージ、Wi-Fi網を備え、スタジアム専用アプリを提供して、チケット購入や駐車場予約、座席への案内、ハイビジョンリプレイなどのサービスを行っている。このような改革により、大規模スポーツ施設を「コストセンター」から「プロフィットセンター」へと転換が図られている。

一方、新たな情報収集や観戦スタイルの提供としては、従来のテレビ以外の映像配信サービスやツールの提供がある。近年、YouTubeやNetflix、Amazon、HuluなどのOTT(Over The Top)による動画配信が拡大しており、アプリによる観戦者コミュニティの提供や、アマチュアスポーツのライブストリーミングなどが行われている。また、スタジアム以外の場所でも現地さながらの臨場感を「体感」するための試みが行われており、VR/AR技術を利用したHMD(Head Amount Display)による視聴や、高臨場ライブ体験(Immersive Live Experience, ILE)を用いたパブリックビューイングにより、臨場感が高く没入感のある視聴が「体感」できる。ILEは、高精細画像や高音質音声を高速広帯域な通信網で伝送し、臨場感の高い視聴を可能とする技術で、照明や特殊効果などスタジアムでは実現できない演出効果を付加することも可能である。

スポーツは、国民の健康増進や青少年の健全な育成という観点から、これまでは教育政策の一環と捉えられてきた部分があるが、2020東京オリンピックをはじめとする一連のメガスポーツイベントを契機として、スポーツ市場を拡大し、新たなスポーツビジネスを創出し、官民一体となったスポーツビジネスの成長産業化・基幹産業化が現在推進されているところである。

主な技術要素

スタジアム内Wi-Fiサービス、試合データ解析、マルチアングル観戦、リプレイ映像再生、ライブビューイング(遠隔配信)、VR観戦、通信技術(5G)、モバイル入場チケット、スタジアム内のルート・施設案内サービス、AIカメラ、ロボット警備員、など

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
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