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未来を創る成長領域

30.遠隔医療・遠隔手術

市場概要

遠隔医療とは、「通信技術を活用した健康増進、医療、介護に資する行為」(日本遠隔医療学会、2007年)を指す。我が国では、1970年代から取り組みが始まり、1990年代に本格化し、2005年には日本遠隔医療学会が発足した。厚労省医療統計によれば、2005年から2014年までの間に2倍程度にまで増加している。

遠隔医療は、患者と医療従事者との関係から次のように2つに大きく分類できる。

①患者に対して実施される遠隔医療:Doctor to Patient (D to P)

②医療従事者間で行われる遠隔医療:Doctor to Doctor (D to D)

日本では、患者との対面診療が原則であるため、主治医と専門医間で高度で専門的な診断や治療のコンサルテーションを行うD to Dは活用が進んできたが、D to Pについては、離島やへき地の患者を診察する場合など対面診療が物理的に難しいケースを除き、活用が進んでこなかった経緯がある。

しかし、少子高齢化と医療費高騰による効率的な医療への要求、医師不足と偏在、診療機器・通信手段の発達を背景に、遠隔医療に対するニーズが高まり、2015年6月30日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」、いわゆる「骨太の方針2015」にも「遠隔医療の推進」が盛り込まれた。更に、同日に閣議決定された「規制改革実施計画」でも、健康・医療分野に「遠隔モニタリングの推進」という項目が新たに設けられることとなった。

遠隔医療市場は、「遠隔画像診断」「遠隔病理診断」「遠隔診療」「遠隔健康管理」に分かれる。

「遠隔画像診断」は放射線診断専門医により、画像診断の読影とレポート作成を遠隔で提供するサービスであり、遠隔医療当初より行われてきたため、最も普及している。また「遠隔病理診断」は、病理専門医によりデジタル病理画像を基に病理診断とレポート作成を提供するサービスで、2018年の診療報酬改定でデジタル画像のみを用いて病理診断を行った場合も病理診断料が算定可能となったことから、今後拡大することが予想されている。

また、「遠隔診療」については、2015年8月の厚生労働省事務連絡「情報通信機器を用いた診療について」で事実上解禁となったことに加え、診療報酬における「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」の新設によって、急速な拡大が見込まれている。

「遠隔健康管理」については、利用者が測定した健康データをネットワークを介して遠隔地の健康管理者が把握するサービスのことで、生体情報モニタリングの発展に伴い、利用の拡大が予想される。

一方、遠隔手術については、遠隔操作により手術を行う目的で開発され、2000年にFDAで承認を受けた内視鏡手術用ロボット「ダ・ヴィンチ」がある。このような手術支援ロボットの市場規模は約4000億円とも言われているが、手術時の患者の痛みを緩和したり、術創を小さくし入院期間を短縮するために、低侵襲治療が求められているなか、今後もますます成長が期待されている。

主な技術要素

情報通信技術(Information and Communication Technology, ICT)、遠隔画像診断、遠隔病理診断、遠隔診療、遠隔健康管理、在宅診療・療養支援、遠隔手術、手術支援ロボット、モバイル/スマートフォン/ウェアラブル端末、Internet of Things (IoT)、拡張現実(Augmented Reality, AR)、AR遠隔医療/AR医療、Telemonitoring、Telehealth、Telemedicine、Telecare/Telenursing、Doctor to Doctor (D to D)、Doctor to Patient (D to P)、画像認識、画像処理、ビッグデータ、人工知能(Artificial Intelligence, AI)

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