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未来を創る成長領域

112.太陽活動・気候変動・地球環境異変

市場概要

地球環境の変異には、宇宙や太陽からの影響を無視することはできない。地球の外側には、高速・高エネルギーの粒子や電磁波が絶え間なく飛び交っている。特に、太陽表層最外殻に見られる100万度にも達する超高温のプラズマ層(コロナ:Corona)から宇宙空間に向けて放出される太陽風(高温・高エネルギーの陽子と電子からなるプラズマ流)や、特に高速の激しい太陽風を引き起こす原因と考えられる太陽フレア(太陽表面での爆発現象)やコロナ質量放出(CME:突発的にプラズマの塊が放出される現象)、コロナホール(コロナの中に見られる密度や温度の低い暗い部分)などは、地球上の生命や文明にも大きな影響をもたらす可能性がある。これとは別に、太陽や宇宙から放射される宇宙放射線(太陽宇宙線と銀河宇宙線)もまた、生物のDNAに傷害を与えるなど生体への危険性が高い。

こうした状況の下、地球上で生命が生存できるのは、「地球大気圏」「地球磁気圏(磁場)」「太陽風」の存在が大きい。

大半の太陽風は地球磁気圏(磁場)に遮られ、押し曲げられるようにして地球を反れ、地球磁気圏を包むように、太陽の反対側に向かって吹き流された形になる。ひとたび、太陽表面で大規模なフレアが発生すると、普段の太陽風より高速のプラズマ流が一気に噴出される (コロナ質量放出)。これが地球磁気圏にぶつかると、地球磁気圏が乱れ、磁気嵐が発生する。このとき、磁気圏を渦巻くプラズマが磁力線に沿って南北の極地方の上層大気に流れこみ、オーロラを出現させたり、人工衛星の電子機器に不具合が生じたり、電波障害、電磁誘導による送電線の異常電流の発生、大規模な停電などが引き起こされる場合もある。太陽風は、その一方で、太陽系外からの銀河宇宙線を外向きに押し戻し、太陽磁気圏への侵入を妨げる(銀河宇宙線の太陽変調)。

また、宇宙放射線のうちY線やX線は地球磁気圏を通過するが、大気圏で、特に窒素の働きによりブロックされる。太陽からの紫外線は大気圏の特に酸素によりブロックされ、その時の光化学反応で、オゾン層(地表より10-50Km)が形成される。オゾン層は紫外線に強いブロック効果を持つ。

地表60-1000Kmの大気は、一部が太陽紫外線などで電離され、プラスとマイナスの電気を帯びた粒子となり、その粒子が濃い領域を電離圏と呼ぶ。一部の研究者は、電離圏の異常と大地震との関連性を指摘している。例えば、東北地方太平洋沖地震発生の40分前から、震源域上空において電離圏の電子密度が周囲より高まっていたことが、事後の解析から見出された。この電離圏電子密度の変動は、2010年のチリ地震(M8.8)、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)の発生前後のデータからも抽出されている。また、東北地方太平洋沖地震の震央上部の電離圏電子密度が地震発生後、約1時間に渡り大きく減少しており、これは津波発生時の海面の沈降によって生じていることが判明している。これらから、電離圏の変動により、地震や津波を予知・予報できる可能性がある。

近年、太陽フレア、太陽プロトン現象、磁気嵐等の状況を観測・把握し、それに伴う影響を予測する宇宙天気予報が提供されている。宇宙天気予報を行う国際的な機関として国際宇宙環境情報サービス(International Space Environment Service)があり、日本からは情報通信研究機構が参画している。情報通信研究機構は、2017年に機械学習を用いたリアルタイムの太陽フレアの予報手法を開発しており、宇宙天気による災害への対策準備の向上が期待される。

主な技術要素

太陽、黒点、コロナ、プロミネンス、フレア、プラズマ、太陽粒子、太陽風、宇宙船、宇宙放射線、太陽宇宙線、銀河宇宙線、異常宇宙線、デリンジャー効果、磁気嵐、大気圏、磁気圏、成層圏、オゾン層、電離層、紫外線、X線、α線、γ線、ニュートリノ、π中間子、μ粒子、ミューオン、スーパーフレア、宇宙天気、宇宙気象、地震、災害、地球環境

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
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