5年先の社会を発信するラボ
  • 5年先の社会を発信する未来ラボ
未来を創る成長領域

85.スマートオフィス

市場概要

スマートオフィスはビルエネルギー管理システム(BEMS; Building Energy Management System)の目指す「オフィスビルの空調、照明、受変電設備などを自動制御しながら、オフィスで働く人が快適に過ごせる空間創造」に加え、「勤怠や給与といった人事業務支援」「ウェブ会議や在宅ワークといったリモートワーク支援」「ファイルや名刺といった情報の共有ツール」などが含まれ、業務の質の向上が期待できるものとして注目されている。

2018年6月に「働き方改革法案」が成立し、2019年4月以降順次改正法が適用される。これは少子高齢化に伴う労働人口の減少や、労働者のニーズの多様化などを背景に行われるものである。また経済産業省は2018年、ビジネスにおけるITの活用に関する「デジタルトランスフォーメーション※」の必要性をレポートにしている。これによると、「多くの企業が将来のビジネス成長と競争力強化のために既存のビジネスから脱却してITを活用したビジネスモデルに舵を切る必要性を理解しているが、現状では伝統的な業務プロセスの抜本的な見直しは思うように進んでいない。またこのままだと2025年以降は毎年最大12兆円の経済損失が生じるおそれがある。」と警告している。そのため企業は今後、スマートオフィス化することで「業務の効率化」、「働き方の柔軟性」、「システムのIT化」をこれまで以上に進めていくことが重要となってくるであろう。現在行われているサービスを以下に3点挙げる。

NECネッツエスアイ社は2019年後半からAI、IoT、ビッグデータ解析などの技術により、ビル全体の設備管理や省エネ制御、効率的なビル運営などをトータルで提供する次世代設備管理ソリューション「Nets-Butics」を販売すると発表している。人の動線、ネットワーク設備、店舗内設備、駐車設備等あらゆる情報をセンシングしオフィスの利用状況や設備状態を可視化することで、各オフィスに合ったきめ細かなBEMS制御が可能となる。

Phone Appli社はとランドスケイプ社は取引先企業情報の名寄せの精度と柔軟性を大幅に向上する機能「LBCによる超名寄せ」を2019年にリリースすると発表している。名刺情報を元にした取引先企業情報の管理システムは様々あるが、従来広く使われている企業名による名寄せでは、企業名の大文字・小文字などのような違い、名刺記載の情報と正式な社名との差異、同じ企業名を持つ複数の企業の存在、などを正しく一致判定できず、データの不正確さの増大およびその修正に時間がかかるなどの課題があった。「LBCによる超名寄せ」はOCR・オペレータ入力によってデータ化された情報に対し、ランドスケイプが保有する日本最大級(約820万拠点)の企業データベースに基づく企業コードを付与してセールスフォースの連絡先情報に登録することにより、企業名だけではなく企業コードを基にした一致判定を可能としている。

様々な企業が働き方改革を意識し、業務の効率化や従業員の労働環境改善施策を導入し始めているが、本当に効果を発揮できているのか、従業員が集中して働けるようになったのかを定量的に知ることはなかなか難しい。眼鏡店「ジンズ(JINS)」を運営するジンズ社はメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」が近年利用され始めている。これは3点式眼電位センサーや、加速度とジャイロを取得する6軸センサーを内蔵し、メガネを掛けたユーザーのまばたき、視線移動、体の動きなどのデータから、その人の集中度をアプリ上で確認する。スマートオフィスを目指して企業が導入したシステムが有効にはたらいているかの評価ができるとして注目されている。

※デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation; DX)…「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。ビジネス用語としてはおおむね「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられる。

主な技術要素

ビル・エネルギー管理システム、人探知・温度・湿度・センサー、機器制御装置、建物内のエネルギー使用状況・設備機器の運転状況分析・最適運転制御、企業・取引先データベース、名寄せ、ビデオ・web会議、ペーパーレス、オフィス通信ネットワーク、セキュリティ(生体認証等)、など

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
Nikkei-astamuse 成⻑領域レポート

NIKKEI astamuse

日本経済新聞社とアスタミューゼがまとめた
有望成長領域136分野のレポート販売中!

日本経済新聞社とアスタミューゼが全世界の論文・特許、国内外の国際会議やシンポジウム、
展示会等の情報、並びに独自ネットワークによる口コミ情報を活用し、
今後10年から20年のスパンで「大きく成長が見込まれる分野」を策定。

日本経済新聞社が関連ニュースなどをまとめ、
現在と近い将来の成長分野を立体的に解説します。

「2分でわかる」成長領域レポート
パンフレット(無料)のダウンロード
レポートご購入のお申し込み
PAGE TOP