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未来を創る成長領域

84.スマートシティ

市場概要

スマートシティに関する取組みは世界的にも多く報告され、またその言葉の定義も様々な機関でなされている。国土交通省が2018年に発表したレポートでは「スマートシティとは都市の抱える諸課題に対して、ICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義されている。この定義での”都市の抱える問題”には「交通」、「自然との共生」、「省エネルギー」、「安全安心」、「資源循環」が挙げられている。

以下に、近年のスマートシティに関する事例を4例示す。

NECは「安全安心」の実証実験を、2019年に約2か月間グランフロント大阪北館において予定している。ここでは「警備員配置や避難誘導の最適化」および「事件や事故の早期発見と解決」を目指し、複数のカメラで都市の混雑や人の流れを解析・可視化して混雑状況や人流を、また複数の音センサーで音量・音質などを分析して破裂音やガラスが割れる音や悲鳴などの異常音の検知やにぎわい度の計測をそれぞれリアルタイムで把握する。

愛知製鋼、SBドライブ、先進モビリティ、ANA、NIPPO、NECの6社は連携して羽田空港で「交通」の実証実験を2019年に11日間行った。これは羽田空港の制限区域内におけるバスの「自動運転実験」である。GPSは通常よりも高精度なRTK-GPSシステム※1を利用し、さらにRTK-GPSの電波が取得しにくくなる空港内も安定走行が継続できるように、磁気マーカーによって走行位置を制御する仕組みを活用している。車体底部には磁気マーカーを検知するRF-ID(radio frequency identifier)受信機と磁気センサモジュールをセットアップしており、道路に埋め込まれている磁気マーカーを読み取って走行する。2020年の東京オリンピック・パラリンピックには羽田空港の大幅な利用増が見込まれており、それまで実用化することが目指されている。

島根県益田市は、2016年より官民と連携した取り組みを行っている。たとえば空き家の活用や自治組織運営の負担軽減といった地域課題解決のためにサイボウズ社の「kintone※2」を活用することで、行政の一般的な取り組みだけでは限界のあるUIターン者の移住ニーズに応える。益田市ではほかにも環境・防災・医療ヘルスケア・財政のような社会課題に対し、IoTによって解決する「サイバー・フィジカル・システム(CPS; Cyber Physical System)社会」の実現を目指している。

エストニア共和国は、国家レベルでスマートシティ(カントリー)に取り組み、高い評価を受けている。例えば同国は「電子政府」というシステムをとっており、2018年現在、結婚・離婚届けと不動産売却以外の行政サービス(=実質99%の行政サービス)が電子化されている。これにより、国民が納税や投票をする際や、同国の電子居住者となった外国人が企業設立や銀行取引行う際、その手続きはオンラインで完結できる。

すでに実生活で導入されているスマートシティ事例としては、「”交通”の混雑問題に対する、通勤不要なテレワークやウェブ会議」、「”安全安心”問題に対する、通院不要なテレビ電話による診察や生体情報通信」、「買い物が外出不要で即時的にできることで”省エネルギー”問題に対応している、eコマース(electronic commerce、電子商取引、ネットショッピング)」がある。これらは、交通、安全安心、省エネルギー問題に切り込むとともに、生活者が暮らしを維持するために割いていた通勤、通院、買い物といった時間を削減しつつある。今後このようなシステムが成熟するにつれ、生活者はますます余剰時間が増え、自らの生活の質を高めることのできる有意義で付加価値の高い活動に今まで以上に時間を充てることができると期待されている。

※1 RTK-GPS(Real-Time Kinematic Global Positioning System/Satellite):リアルタイムに水平方向で数cmの測位精度で位置を計測可能な測位法。なお、一般的なスマートフォンやカーナビで使われる単独測位法でのGPSの水平方向位置精度は3 m程度。

※2 kintone:サイボウズ社のwebデータベース型業務アプリ構築クラウドサービス。「自社に必要なニッチな要望にも対応可能」、「適宜改修や追加可能」、「他システムとの連携実績が豊富」という長所をもつ。

主な技術要素

太陽光発電、HEMS、エネルギー監理、電力見える化、電力需給調整、創エネ、省エネ、エナジーハーベスティング、エネファーム、エコキュート、リチウムイオン電池、EV/PHV/FCV充電器、V2G/V2H(Vehicle to Grid/Vehicle to Home)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、省エネ、省電力、タスク&アンビエント、TASK & AMBIENT、高断熱外皮、定置用リチウムイオン蓄電システム、調光、空調、空気調和、潜熱・顕熱分離、HEMS(Home EMS)、MEMS(Mansion EMS)、BEMS(Building EMS:商業ビル用)、FEMS(Factory EMS:工場用)、CEMS(Cluster/Community EMS:地域用)

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
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