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未来を創る成長領域

125.パッケージング(包装・梱包)

市場概要

商品のパッケージング(包装・梱包)には「消費者へのアピール」、「商品価値の向上」といった目的がある。パッケージングにおける「消費者へのアピール」とは、包装を魅力的にし、パッケージの印象がもっぱらの購入動機となるようなマーケティング手法で、近年「パケ買い」と言われることもある。例えば株式会社明治社の「meiji THE Chocolate」という商品は、2014年に発売したチョコレートのパッケージを2016年に変更し、社会現象と言えるほどの売り上げ(1年間で約3000万枚)となった。ここにはSNSの台頭があるといわれている。

このような売り上げを向上させるデザインの選定にAI(人工知能)を活用する取り組みが進んでいる。プラグ社の「パッケージデザイン好意度評価予測AIサービス」では、410万人のパッケージデザイン調査結果から作ったAIシステムを活用し、一般的なパッケージデザイン開発の工程(商品開発担当者による選定、消費者調査の実施)を省けるサービスを2019年に開始した。WEB上にアップするだけで、消費者がそのパッケージをどの程度好むかの予測値を2~3分で算出するという。

パッケージングにおける「商品価値の向上」の例として、メニコン社の一日使い捨てのコンタクトレンズ用パッケージが挙げられる。コンタクトレンズユーザーの中には「表裏を間違えて装用しているユーザー」や「表裏の確認をしようとたくさん触ってしまい、手指の菌をコンタクトに付着させてしまうユーザー」がおり、結果的に違和感や眼への傷や角膜感染症が引き起こされる要因となっている。同社が採用している「Smart Touch技術」は、容器から取り出す際に指で触るのが確実にコンタクトのレンズ外面になり、裏表の確認をせずにワンタッチで装用できるパッケージであり、ユーザーにとって、使い勝手の良さと清潔な装用を兼ね備えているといえよう。

環境省によると、平成27年度(2015年度)の食品廃棄物量は2842万t、食品ロス(フードロス)は646万tと推計されており、社会課題となっている。そこで、食品のパッケージングを活用した課題への取り組みが各社で始まっている。例えば東芝テック社は、2018年に電子タグ(RFID; Radio Frequency IDentifier)を活用したサプライチェーンにおける情報共有の実証実験を行った。パッケージにRFIDを貼り付け、そこから取得した商品の入出荷や消費期限情報等の情報を一元管理する検証であり、これを活用することで消費・賞味期限チェックの効率化や賞味期限に即したきめ細かな価格変更などへの展開が可能となり、食品ロス削減への糸口になると期待されている。

また、食品ロスを削減させるガス置換包装(Gas Exchange Packaging)技術でも新たな取り組みが行われている。スイスのスタートアップ企業Climeworks社は特殊フィルターにCO2を吸着させて大気から分離する独自技術「DAC(ダイレクト・エアー・キャプチャー)」を開発し、2017年に施設を稼働させた。この技術を用いて2018年にCoca Cola HBC Switzerland社との提携で「大気中から集めたCO2を使った発泡ミネラルウォーター」を発表しているが、これ以外に生鮮食品の鮮度維持のためのガス置換包装として活用が目されている。これは大気中のCO2を活用できる技術でもあり、環境問題の観点からも注目されている。

主な技術要素

硬質プラスチック、軟質プラスチック、ポリエチレンテレフタラート・高密度ポリエチレン・無可塑ポリ塩化ビニル等のプラスチック樹脂、再生利用技術、バイオプラスチック、パッケージデザイン評価予測AIソフトウェア、電子タグ(RFID; Radio Frequency IDentifier)、ガス置換包装、デジタル印刷など

確かなデータに基づき、
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