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未来を創る成長市場

成長市場「映画・アニメーション・映像芸術」

市場概要

映画産業において、近年、立体的な映像や音響、振動や地響き、閃光、風圧、香り、時には水しぶき等を体感できる体験型劇場システム(DolbyATMOS、IMAX、MX4D、4DX 等)や、スポーツ、オペラ、コンサート、演芸等の映画以外の映像コンテンツを上映する ODS(Other Digital Stuff)の導入が進みつつある。テーマパークアトラクションとの映像コンテンツ連携、ネット上での映画等動画コンテンツ配信、ゲームアプリや VR・AR コンテンツへの展開なども行われており、一時停滞していた映画産業全体の再浮上に大きく寄与している。今後、映画館では、360 度没入型ヘッドマウントディスプレイや伝送された触覚を感じられるハプティックスーツを着用して映画を見る VR・AR体験の導入も考えられる。

また、アニメーションや 3Dなどの映像技術自体も進化しており、撮影段階での SFX(Special Effects:特殊効果)に加え、ポストプロダクション段階での VFX(Visual Effects:視覚効果)、特に、3DCG やインタラクティブアニメーションなどの進化により、高精細で臨場感、現実感の高い映像・音響体験が可能となってきた。

中でも、2014 年 SF 映画「Interstellar」(Christopher Nolan)で描かれた高速で回転するブラックホール近傍を通過する宇宙船から見える宇宙の湾曲した光景は特筆に値する。最新科学の知見に基づくその映像は、Stephen Hawking や Carl Sagan と親交が厚かった理論物理学者 Kip Thorne(前カリフォルニア工科大学ファインマン教授)のチームが本作のために行った重力レンズ効果の研究成果であり、2015 年 2 月には、「Gravitational lensing by spinning black holes in astrophysics,and in the movie Interstellar」という論文を発表している(Classical and Quantum Gravity,Vol.32, No.6)。

哲学性の高い作品中でも、科学的映像が効果的に使われることがある。2011 年公開の映画「TheTree of Life」(Terrence Malick)は、「私が大地を据えたとき、お前は何処に居たのか」という「旧約聖書 ヨブ記 38 章 4-11 節」の問いかけがモティーフとなり、一つの家族の小さな歴史を描く断片的なシーンの連続に、映画「2001 年宇宙の旅」や「未知との遭遇」などを手がけた SFX 界の巨匠 Douglas Trumbull による「宇宙の創成とその進化」や「生命の起源とその進化」といった壮大で華麗な映像美を織り込んでいく。ハッブル宇宙望遠鏡で覗き見るような遥かな時間と距離を隔てた遠い世界が、リアルにまるで生きているかのように眼前に広がる。ポーランド出身の作曲家 ズビグニエフ・プレイスネル(Zbigniew Preisner)の荘厳なレクイエム曲「Lacrimosa(涙の日)」が情感を掻き立ててやまない。

一方で、2013 年公開のアニメーション映画「かぐや姫の物語」(スタジオジブリ)では、「火垂るの墓」や「おもひでぽろぽろ」で知られる高畑勲監督が、「一本の線にまとまっていないクロッキー風のドローイングが動いた時の面白さ」を 8 年の歳月をかけて追求し、淡い色彩の水彩画風の背景と重ね合わせることで、まるで一枚の絵が動いているような不思議なアニメーションを実現させている。

今後、インタラクティブメディアや身体性メディアは、新たな映像体験・映像芸術の可能性を大きく変える可能性がある。東京ゲームショウ 2015 に出展された「DeNA Infinity Theater」では、キャラクターが描かれたカードをテーブルに置くと、そのカードに閉じ込められた世界が解き放たれ、他のカードから解き放たれたキャラクターとも連なり、空間全体を満たす没入型シアター空間を構築する。また、「お絵かき水族館」では、「紙」に自由に描かれた魚や海の生物の絵が、目の前の巨大なタッチスクリーン上のサンゴ礁水槽で、アニメーションとして泳ぎ出す。描いた魚に触ると周辺の魚たちは、いっせいに逃げ出したり、メッセージを出すなどの双方向性の反応を示す。こうした様々な映像技術が、すでに博物館や水族館、イベント会場、企業ショールームなどに導入されており、将来的にはゲームソフトや VR コンテンツとして、自宅の PC やスマートフォン等でも体験できるようになるだろう。デジタルサイネージや情報芸術と一体化して都市空間に取り込まれていく可能性もある。

舞台芸術においても、薄い透明スクリーンを複数据え、後方より映像を投影することで立体的仮想空間を演出する手法は、「初音ミク」3D ホログラムライヴ(2009 年〜)や米国ビルボードミュージックアワード 2014 に登場したキング・オブ・ポップ「マイケル・ジャクソン」のホログラムライヴなどで見られる。また、テクノポップユニット「Perfume」の SXSW ライヴ(2015 年)や、ミュージカル『DNA-SHARAKU』(2016 年)などでは、舞台上の複数の薄い半透明スクリーンや出演者の衣装の上に、インタラクティヴにプロジェクションマッピングすることで高い演出効果を生み出している。こうした演出には、人工知能や深層学習、高性能コンピュータ(スパコン)などの活躍も見込まれる。

さらに新しい映像技術として、眼の網膜に直接映像を投影する技術がある。QD レーザ社の網膜走査型レーザアイウェア「Retissa」は、メガネ型フレームの内側の超小型半導体レーザプロジェクタから、装着者の瞳孔を通して網膜にデジタル画像を直接投影する非インプラント型のウェアラブル機器。視力の低下した人のために、搭載されたデジタルカメラで撮影した映像をリアルタイムで投影することができる。こうした機器のカメラを望遠鏡や顕微鏡、内視鏡や万華鏡に置き換えれば、新たな映像体験を提供することになるだろう。

主な技術要素

体験型劇場システム、DolbyATMOS、IMAX、3DCG、MX4D、4DX、ODS(Other Digital Stuff)、テーマパーク、アトラクション、動画配信、ゲームアプリ、VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)、SR(Substitutional Reality:代替現実)、360 度没入型、ヘッドマウントディスプレイ、感覚伝送、触覚(力覚)提示、ハプティックスーツ、身体性メディア、インタラクティブアニメーション、SFX(Special Effects:特殊効果)、VFX(Visual Effects:視覚効果)

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