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未来を創る成長領域

32.メンタルヘルスケア

市場概要

メンタルヘルスとは、「こころの健康」を意味するものである。1946年に制定された世界保健機関(World Health Organization: WHO)憲章の前文では、「健康とは、精神的にも、そして社会的にも、すべてが良好に満たされた状態にあることを言い、単に病気や虚弱でないということではない」と定義されている。創設当初より精神の健康を重視していたWHOは、2014年8月発表の「10 FACTS ON MENTAL HEALTH – Mental health: a state of well-being」において、「1.世界の児童と青少年のうち、約20%が精神障害や精神的問題を抱えている 2.精神障害や物質使用障害は、世界的に見て、障害の主要な原因である 3.世界で、毎年約80万人が自殺している 4.戦争と災害は、精神保健と心理社会的健康に大きな影響を与える」など、メンタルヘルスの現況を、10項目にまとめて提示した。

精神障害には、パニック障害や恐怖症などの不安障害、急性ストレス障害やPTSD、トラウマなどのストレス障害、強迫観念や脅迫行為によって日常生活が障害を受ける強迫性障害、うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの気分障害、人格障害(パーソナリティー障害)、統合失調症などが知られる。

戦争やテロ、犯罪被害に加え、現代では、家庭内暴力(domestic violence:DV)や虐待、性暴力、人権侵害、ハラスメント(嫌がらせ)、偏見、スティグマ(烙印)などが、精神障害の原因となっている。職場における人間関係や、転勤、長期の海外赴任、赴任地での文化的ギャップなどが重い精神障害に発展するケースもある。

WHOは、ファクトシート No.381(2015年9月)で「・世界的に、急速な人口の高齢化が進んでいる。2015年から2050年の間に、世界の60歳以上人口は、12%から22%へと2倍近くに上昇する ・メンタルヘルスと感情的に満たされた状態にあることは、人生のどの時期よりも高齢期に重要となる ・高齢者の神経精神疾患は、この年齢層では全障害(DALY)の 6.6%を占める ・60歳以上成人の約15%は、精神障害を患っている」と述べ、高齢者のメンタルヘルスに焦点をあてている。

日本では、職場でのストレスによる精神障害を未然に防ぎ、あるいは重症化を抑えるため、2015年12月に施行された「改正労働安全衛生法」において、従業員50人以上の事業所に対し、従業員へのストレスチェックの実施が義務づけられた。さらに、2018年に政府は「働き方改革」を打ち出し、長時間労働の是正や年次有給休暇の取得の企業への義務付けなどを行った。職場のメンタルヘルスケアが注目されるにしたがって、外部に「従業員支援プログラム(EAP)」を委託する会社が増えている。

また、妊産婦のうつ病が妊娠や出産に関連した身体疾患の頻度を上回り、自殺による死亡数が身体疾患による死亡数を上回っていることが明らかになり、妊産婦のメンタルヘルスヘアが注目されつつある。妊産婦のメンタルヘルスは子供の発達にも大きく影響している。

対処としては、「こころの健康」を維持するために、心身の休養や生活環境・生活習慣の改善を図るほか、心理カウンセリングなどの心理療法や、コンパニオンアニマルとの生活、アロマテラピーなどが有効な場合もある。

精神障害に罹患した場合、医学の一分野である精神医学(psychiatry)や専門医・精神科医による医療行為に限定されるものではなく、プライマリケアや公衆衛生、心理カウンセラーや臨床心理士(Clinical Psychologist)、精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker:PSW)など保健衛生・介護福祉専門職のほか、様々な職種の人々が連携、協力して取り組む性格のものと言える。

精神医療では、精神科や心療内科を受診することが挙げられる。薬物療法としては、うつ状態の改善には、イミプラミンやフルボキサミンなどの抗うつ薬、不安障害やパニック障害、自律神経失調症の治療には、クロチアゼパムやジアゼパムなどの抗不安薬(精神安定剤、マイナー・トランキライザー)、睡眠障害(不眠症)には、トリアゾラムやペントバルビタールなどの睡眠薬、統合失調症治療には、リスペリドンやクエチアピン、オランザピンなどの抗精神病薬(メジャー・トランキライザー)が処方される。

この市場は大きな成長が見込まれており、音声から気分の状態を判定する技術「Empath」、テキストでの会話を通じて認知行動療法の形式のセッションを行うボット「Woebot」、音楽配信大手のUSENによる企業向けに社員のストレス軽減やメンタルヘルスケアも射程に収めた「Sound Design for OFFICE」の配信サービスなど、多種多様なサービスが生まれてきている。製薬においても、依然として注目されている分野の一つであり、新しい作用機序をもつ抗精神病薬や抗うつ薬が開発されてきている。

主な技術要素

メンタルヘルス、精神障害、精神医学、精神内科、心療内科、自殺、認知症、薬物依存症、急性アルコール中毒、アルコール依存症、統合失調症、気分障害、双極性感情障害(躁うつ病)、うつ病、不安障害、恐怖症、パニック障害、強迫性障害、急性ストレス障害、PTSD、適応障害、トラウマ、摂食障害、睡眠障害、性機能不全、パーソナリティー障害、自傷行為、発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、テロ、戦争、犯罪被害、性暴力、家庭内暴力(domestic violence : DV)、虐待、人権侵害、ハラスメント、スティグマ、偏見、貧困、精神科医、産業医、臨床心理士、精神保健福祉士、カウンセラー、薬物療法、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、心理療法、カウンセリング、認知行動療法、ストレス管理、季節型うつ病の光療法、うつ病や統合失調症の電気痙攣療法(電気ショック療法)、エクササイズ、アロマテラピー、アイソレーション・タンク、自然に触れる、娯楽、時間管理、音楽、瞑想、ペット、リラクゼーション、食事改善、機能性食品、働き方改革、従業員支援プログラム(EAP)、ストレスチェック、復職時面談、安全配慮義務、長時間労働、産後うつ病、AI、ロボット、チャットボット、脱施設化

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