5年先の社会を発信するラボ
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未来を創る成長領域

98.G空間・位置情報サービス

市場概要

位置情報に関連付けられている地理空間を「G空間」と呼ぶ。G空間をICT(Information and Communication Technology)で活用する位置情報サービスは、スマートフォンやカーナビなどの電子機器で現在位置を地図上に表示したり、当夜の星空図を表示して見られる星座などの天体情報を提示したり、紛失した携帯電話の在り処を探したり、誘拐や徘徊への対策としたりと、多様なサービスが実用化されており、LBS(location based service)と総称される。とりわけ、現在位置付近にある医療機関や店舗からの特売情報やイベント情報などの周辺情報を自動的に提供したり、その場で商品・サービスの予約・注文が可能なO2O(Online to Offline)のサービスは、地域活性化の鍵としても注目を集めている。また、自動運転によって変貌しているモビリティやテレマティクスのコンテンツサービスとしての可能性も大きい。

このG空間で重要な役割を担っているのが2010年に軌道投入された準天頂衛星「みちびき」初号機を始めとした準天頂衛星によるシステムで、2018年からは4機体制で「みちびき」のサービス提供がなされており、2023年には7機体制を目指す。GPS衛星は上空を周回しており常に天頂に居るわけではないため、都市部や山間部などの高い建物や山がある地域ではそれらが障害となり、衛星から発せられる測位信号が届かないことや建物や山からの反射波によって大きな誤差が生じるなどの問題があった。しかし常時日本の真上に位置している準天頂衛星からの信号を追加することが可能になれば、測位できる場所や時間が拡大し、前述のような問題を解消することが出来るようになる。

G空間は衛星の電波が届く地表だけに限られてはおらず、地下空間にも拡がっている。大都市部を中心に発達している地下街では、近年の局所的な集中豪雨や津波などによる浸水リスクの高まりによって、災害の発生時の対応や避難に備える必要が増している。立命館大学の西尾信彦教授が代表を務めるG空間システムコンソーシアムは、地下空間での屋内の測位技術とセンシングによる技術を組み合わせることより、「G空間地下街防災システム」という、災害発生時の防災センターの行動計画をサポートする仕組みを構築した。このシステムはスマートフォン内蔵のセンサとWi-Fiの基地局、さらにBluetooth Low Energy規格の電波発信機を用いて、地下空間の人の移動や位置を高精度に推定することを可能とし、災害時には施設の管理者が施設の利用者の避難を安全に誘導するのに役立てられる。また、地上ビル等に設置されたネットワークカメラや雨量計のデータと浸水被害のシミュレーション結果を用いて、止水板や土嚢の設置などを判断する防災行動への助けともなる。さらにアプリの使用によって、このような情報を施設管理者と避難誘導・止水板設置者たちの間で共有することで災害時でも連携した行動が可能になる。

今後もICTの発展に伴ってG空間社会は拡がりを続け、位置情報サービスを活用した新たなサービスが提供されていくだろう。

主な技術要素

地理空間、GPS衛星、衛星航法システム、地域航法衛星システム、携帯電話基地局、車載センサ、加速度センサ、FM、NFC、ナビゲーション、電子コンパス、Bluetooth Low Energy機器、測位信号受信機、ARアプリ、GIS(地理情報システム)、チェックイン、G空間、準天頂衛星、衛星測位システム、衛星電波、ビーコン、ジャイロセンサ、車速センサ、Wi-Fi、RFID、スタンプラリー、気圧計、電子基準点、災害シミュレーション、ドローン、GPS受信素子

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