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24.伝統医学・統合補完代替医療

市場概要

近代医学は、自然科学の発展と共に、19世紀以降急激に発展してきた学問であり、通常我々が医療機関で受ける医療の大部分はこの近代医学の成果によるものである。感染症をはじめとして様々な疾病の病因を明らかにし、治療法を開発するなど多大な貢献を行ってきた。

しかし、がんやアレルギー疾患、精神疾患のように、食事や環境要因、ストレスなど多因子による複合的な原因で起こる疾患については、近代医学の手法が必ずしも奏功しない状況があり、漢方や健康食品などの伝統医学が広く市民に利用されている実態もある。

伝統医学とは、近代以前から行われてきた医学を指し、古代文明の発祥と共に形成されてきた。独自の身体観や医学観などの理論体系を持っており、理論体系を持たず経験則を中心とした民間療法などの伝承医学とは一線を画す。

世界の4大伝統医学として、中国伝統医学、インド伝統医学(アーユルヴェーダ)、ユナニ(イスラム)医学、チベット医学が知られ、これらは日本の漢方医学やタイ医学など各地の伝統医学の起源となるだけではなく、伝統医学で用いられる薬草から治療薬の薬効成分が抽出されるなど、近代医学・薬学の基礎ともなってきた。

一方、補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine, CAM)とは、近代医学を補い、近代医学でも有効に対処できない場合などに、近代医療に取って代わる医療を指す。米国の国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine, NCCAM)によると「様々な医学・ヘルスケアシステムや施術、製品であって、従来の通常医療とは一般的には見なされていないもの」と定義されており、NCCAMによるCAMの分類では、①天然産物(ハーブ・ビタミン・栄養補助食品・プロバイオティクスなど)、②心身医療(瞑想・ヨガ・鍼灸・気功など)、③手技療法と身体技法(徒手整復術、カイロプラクティック、マッサージ療法など)、④その他(ピラティス、ホメオパシーなど)が具体的に挙げられている。

上記のような伝統医学や補完代替医療を、近代医学と対立的に捉えるのではなく、両者を融合し、患者中心の全人的医療を行うものが統合医療(Integrative Medicine)である。但し、伝統医学や補完代替医療においては、有効性に関する科学的な根拠(エビデンス)が十分でないものも多いため、厚生労働省が設置した「統合医療」のあり方に関する検討会では、「近代西洋医学を前提とし、伝統医療や補完代替医療を組み合わせ、更に生活の質(Quality of Life, QOL)を向上させる医療であり、医師主導で行い、多職種が協働して行うもの」と統合医療を位置付けている。

統合医療における補完代替医療の利用については、患者やその家族に対する情報提供が重要だと考えられており、厚生労働省でも「統合医療」情報発信サイトを設置し、エビデンスも含めて情報提供を行っている。

2018年6月に世界保健機関(WHO)が公表した国際疾病分類(ICD-11)において、「伝統医学の病態―モジュールⅠ」が追加されており、今後伝統医学のデータ蓄積が進むことが期待されている。

主な技術要素

東洋医学、鍼灸、チベット伝統医学、アーユルベーダ、ホメオパシー・ナチュロパシー、心理療法、瞑想、ヨガ、気功、催眠療法、イメージ療法、音楽・芸術療法、ダンス療法、カイロプラクティック、マッサージ、ハーブ、ユナニ、オステオパシー、リフレクソロジー、アロマテラピー、サプリメント、バイオフィードバック

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