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未来を創る成長領域

121.五感応用・人工感覚(ハプティック・人工網膜・味覚センサ)

市場概要

ヒトの五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)が環境から受け取っている情報の解析や、情報伝送、それらの応用方法などが研究されている。知覚や脳内情報処理のメカニズムの解明はもとより、医学はじめ、生活の様々な分野への応用が関挙げられる。特に、音声や画像に加え、ヒトの触感(痛覚や温冷覚を含む)や味覚、嗅覚などの感覚・知覚情報を通信手段を介して交換・共有することが可能となれば、テレプレゼンス・テレイグジスタンス(遠隔臨場制御)によるテレワーク、遠隔医療、教育、エンターテインメント等幅広い応用が期待される。技術的には、五感情報のセンシングとデータ圧縮・符号化・伝送技術、再現デバイスの開発が不可欠である。

医学的な応用として、人工聴覚や人工視覚の研究が進んでいる。

聴覚に関しては、「骨導補聴器」や「人工内耳」が知られている。人工内耳は、補聴器でも聴覚が得られない場合に用いられる医療機器で、耳から後頭部に掛けて装着する体外部と、体内埋込(インプラント)部からなる。耳かけマイクが拾った音は、体外のサウンドプロセッサで解析され、電気信号に変換された後、無線信号で皮膚の下のインプラント受信器に送られる。受信信号は、電気信号として、蝸牛に挿入された電極アレイから聴神経を刺激し、脳で音として認識される。

視覚では、人工視覚デバイス「Argus II」(米国Second Sight社)が、加齢黄斑変性症で視力を失った患者へ移植され、視力を取り戻すことに世界で初めて成功している。小型カメラがとらえた映像情報を眼球の奥に埋め込んだ電極(インプラント型人工網膜)に無線送信し、視神経を通して脳に視覚情報として伝えることで、失われた視力の一部を回復するというもので、2013年2月、米国食品医薬品局(FDA)は「Argus II」を医療機器として承認している。将来的には、インプラントでなく、ウェアラブル型の脳制御デバイスも登場する可能性がある。

味覚では、苦味・甘味・渋味・酸味・塩味・旨味・旨味コクなど様々な呈味化学成分に対して広域選択性を持つ「人工脂質膜型味覚センサー」(インテリジェントセンサーテクノロジー社、九州大学)が開発されている。

触力覚はロボット工学分野などで研究の蓄積がある。手術ロボットでは術者への力覚のフィードバックが課題となっていたが、リバーフィールド社は、鉗子根源部に位置する空気アクチュエーターの差圧から推定した鉗子先端にかかる力を術者にフィードバックする手術ロボットを開発している。一方、スタンフォード大学の研究チームは力覚情報を脳細胞に送ることのできる人工皮膚の開発に取り組んでいる。圧力センサーとフレキシブル有機電子回路を用い、静的な物体に触れたときの力覚情報をマウスの培養脳細胞に送ることに成功しており、医学的な応用開発も射程に入ってきた。

実用化に向かい伸展している人工視覚や人工味覚に比べ、人工嗅覚の研究は未だ黎明期にあるが、2015年9月、物質・材料研究機構・京セラ・大阪大学・日本電気・住友精化、NanoWorld AGの6機関は共同で、超小型センサー素子「MSS(Membrane-type Surface stress Sensor/膜型表面応力センサー)」を用いたニオイ分析センサーシステムの実用化・普及を目的に、「MSSアライアンス」を発足させている。パナソニックは、昆虫の触覚を模倣して、微細加工技術と機械学習技術を組み合わせ、物質を補足・識別・検出するセンシングデバイスを開発している。

AR(拡張現実)により、実際の食品画像を別の食品画像として提示して、味覚を操作する研究が行われている。今後、五感それぞれの知覚応用だけでなく、異なる知覚間の相互作用に基づく、医学はもとより、五感に訴えるネットショッピングや未来型デジタルサイネージ、VR・ARとの融合による臨場感豊かなゲームやアトラクションなど、様々な分野での応用開発が考えられる。

主な技術要素

生体情報、MEMSセンサー、μtas、生体センシング、バイタルセンサ、バイオセンサ、バイオミメティック、バイオミミック、ヒューマン・マシン・インターフェイス(human machine interface:HMI)、ブレイン・マシン・インターフェイス(Brain-machine Interface : BMI)、VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)、SR(Substitutional Reality:代替現実)、360度没入型、3Dディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、立体音響、音響場、音像、境界音場制御、バイノーラル、トランスオーラル、適応フィルタ、感覚伝送、感覚相互作用、共感覚、触覚(力覚)提示、温冷覚伝送、ハプティックスーツ、身体性メディア、人工網膜、人工視覚、人工聴覚、人工鼓膜、人工内耳、人工嗅覚、人工味覚、電極、神経刺激、インプラント

確かなデータに基づき、
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