5年先の社会を発信するラボ
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未来を創る成長領域

6.スマートグリッド・HEMS

市場概要

スマートグリッド(smart grid; 次世代送電網)とは、電力供給側・電力需要者側がともに電力の流れを可視化でき、電力最適化が可能な送電網に関する技術を指す。2009年には国際標準化ロードマップが策定され、非常に幅広い技術を含んでいる注目市場といえる。

スマートグリッドに関する研究やプロジェクトは現在、電力会社や自治体、さらには国家間合同で行われており、それぞれがスマートグリッドの発展に努めている。例えば米国においては昔から停電が頻発するうえ、停電箇所を特定・復旧するためには電力需要者側が連絡しなくてはならないという問題がある。そこで近年はこの課題を解決するためスマートグリッド化が検討され、送電状況を可視化することにより停電を未然に防ぎ、また停電箇所の特定もスムーズになることが期待されている。

一方、日本では送電線網はシステム管理されており、仮に停電しても速やかに検知できることから、先のアメリカのようなスマートグリッド化は必要とされていない。しかし東日本大震災後、被災地の供給力確保が喫緊の課題という認識が強まり、その解決策としてスマートグリッドにマイクログリッド(Microgrid; 小規模発電網)をかけあわせた技術への関心が高まっている。マイクログリッドは家庭、オフィスなどの電力需要者の近くに小さな電力供給源を設け、比較的小規模な社会でエネルギーの需要と供給を賄う「地産地消のエネルギーシステム」である。マイクログリッドの長所は、「大規模電力発電所に比べて電力供給源から電力需要者までの距離が短いので送電ロスが少ない点」、「災害時にも電力供給が可能な点」、「太陽光のような再生可能エネルギーと組み合わせやすく環境への影響が軽減できる点」が挙げられる。このほかにもスマートグリッドにより従来の大規模発電所からのエネルギーをより効率的に利用する検討も進められており、例えばスマートメータなどを活用し電力の最大需要を予測する基板技術AMI(Advanced Metering Infrastructure)などの技術がある。

また近年では施設の空調効率を高めるための技術として「EMS; Energy Management System」というITを利用した電力やガス等のマネジメントシステムが注目されている。EMSの対象施設としては、家、ビル、マンション、工場などがあり、家に関するエネルギー管理システムは、「ホームエネルギー管理システム(HEMS; Home EMS)」と呼ばれている。HEMSサービス事業の例として、三菱電機が提供している家庭内の様々な機器をつなぎ、エネルギーの「創る・蓄える・使う」を効率的に行うマネジメントシステムがある。このサービスは2018年にアップデートされ、天気予報と過去のデータから太陽光発電量を予測し、空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器に太陽光発電を使うかどうかを人工知能(AI; Artificial Intelligence)が判断するシステムが搭載された。このようなAI技術を用いたHEMSはますます広がるであろう。

今後HEMSやスマートグリッドの様々な技術を組み合わせることで、日本のインフラも環境負荷が少なく災害時に強い次世代インフラへ成長すると期待されている。

主な技術要素

スマートメータ(通信機能付きの電力量計)、需要と供給のバランス調整・系統安定化、電力の安定供給、通信システムを備えた電力網、データ管理、エコキュート、熱電併給(コージェネレーション)、風力発電、省エネルギー、ハイブリッド車・電気自動車、AMI(Advanced Metering Infrastructure)、電力の見える化、xEMS(監視制御システム)、送電網、スマートコミュニティ、超電導、マイクログリッド(Microgrid; 小規模発電網)、太陽光発電、再生可能エネルギー、蓄電装置

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
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