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未来を創る成長領域

40.運転支援・自動運転・交通事故防止

市場概要

自動運転は表面的にはITイノベーションの一つとして捉えられることが多いが、根底にあるのは交通事故から人の生命を守ることにあり、そのための技術開発、インフラ整備が脈々と続けられてきたものである。交通事故の原因の多くは、歩行者や障害物の発見の遅れや、判断・操作に関わる人為ミスによるものであり、衝突防止など危機を回避する技術や、健康状態や高齢化で低下した能力を支援していく運転支援技術などの進歩が大きく期待されている。

次世代自動車では、障害物検知、追突警報・回避、交通標識認知・警告、疲労検知、緊急通報などの認知支援技術、自動緊急ブレーキや緊急操舵回避などの衝突回避・被害軽減技術、自動パーキング、ACC(adaptive cruise control)などの運転支援技術の開発が進められている。これに加えて、非接触充電、生体情報モニタリング(ウェアラブル生体センサ)、スマートフォン活用、HEMS(home energy management system)連携、後方・側方のバーチャル映像表示AR(augmented reality)技術などの研究が盛んである。

自動運転を構成する重要技術としては、カメラやレーダ、光ビーコン、超音波、生体情報など各種センサとGPSや通信技術による周辺環境認識技術や自己位置推定技術、自動誘導技術、自動制御技術、高性能コンピュータ・人工知能・深層学習(ディープラーニング)技術などの多岐にわたる技術が関係する。特に、運転者や同乗者の健康状態や精神状態、注意力等を見守る意味で体温・心電心拍・運動などの生体情報センシングが重要であり、また、様々な状況に応じての判断において、状態推定や予測など機械学習や人工知能の技術も必要である。その他、ヘッドアップディスプレイに仮想現実・拡張現実技術を用いて、注意喚起をしたり、操作指示をしたりする技術も実用化がすすめられている。

日本では、「自動運転に係る制度整備大綱」において、Level0 (自動化なし)、Level1 (運転支援)、Level2 (部分運転自動化)、Level3 (条件付運転自動化)、Level4 (高度運転自動化)、Level5(完全運転自動化)と分類されている。Level1は、アクセルとブレーキ、ステアリングのうちの1つを車がコントロールする。Level2はアクセルとブレーキ、ステアリングのうちの複数を車がコントロールする。Level3は運転に向いた条件下で(交通量が少ない、天候が良いなど)自動運転が行われるが、緊急時にはドライバーが運転をかわる。Level4は運転に向いた条件下で運転手なしで自動運転する。Level5はいかなる条件でも完全に自動運転をする。

現在の実装はLevel2が中心で、Level3も存在する。スバルの「アイサイト」や日産の「プロパイロット」といった自動車向け運転支援システムはLevel2であり、アクセルとブレーキ、ステアリングをコントロールして、前の車を自動追従する。2018年にはAudiがLevel3の性能を持つ車を発売したが、法整備が追い付かず、実際には自動運転機能として利用できない。各国でLevel4やLevel5の性能を持つ車の実証実験が進められている。

一般公道での自動車の運用に関わる国際法にはウィーン交通条約(日本は未批准)とジュネーブ道路交通条約がある。欧州はウィーン交通条約の改定によりLevel3を合法化した。日本はジュネーブ道路交通条約の改定による合法化を目指している。政府は、事故の際の賠償責任は、原則として、車の所有者に負わせる方針である。警視庁などは刑事責任の在り方を検討中である。

自動運転の実用化が進めば、交通事故の削減以外にも、様々な効果が期待される。国交省の試算によれば、高速道路におけるACC搭載車の割合が3割になると、渋滞による損失時間を半減できる可能性があるとしており、また、NEDOのエネルギーITS推進プロジェクトでは、大型トラック3台による実証実験を行った結果、将来的に15%以上の省エネ効果が期待できるとしている。また、車の運転から解放され、可処分時間が増えることによって、エンターテインメントをはじめとしたビジネスの拡大が期待される。

クルマは複合技術の集大成といえるもので、とりわけ、自動運転の実現に向けてはさまざまな分野の知恵を結集する必要がある。異分野異業種の参入も今後活発化すると思われ、広範な分野からのイノベーション参加が期待される。

主な技術要素

カメラやレーダ、光ビーコン、超音波、生体情報など各種センサとGPSや通信技術による周辺環境認識技術や自己位置推定技術、自動誘導技術、自動制御技術、高性能コンピュータ・人工知能・深層学習(ディープラーニング)技術など

確かなデータに基づき、
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