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93.建築BIM・土木CIM

市場概要

BIM(Building Information Modeling、ビルディング・インフォメーション・モデリング)とは、建物の3Dデジタルモデルに、「材料」、「コスト」、「採光」、「仕上げ」、「管理情報」、「法規制」などの情報を持たせ、建築工程のあらゆる段階で活用していく工程・ワークフローを指す。

BIMのメリットは主に3つ挙げられる。1つ目はプロジェクト関係者である「設計事務所、構造・設備事務所、ゼネコン、施工主」へデータが引き継がれることで、各々の専門分野の知見の追加や、変更管理といったものが容易になる点である。結果として、プロジェクトの所在が移動するたびに発生しがちな情報の欠落を大幅に削減し、所有者にも多くの情報が納品できる。二つ目に、3Dデータ上で建物部材が干渉している部分を特定したり、建物全体における特定部分の関係をコンピュータ上で詳細に再現したりできるため、設計や施工におけるミスや手戻りを大幅に削減される点がある。近年はコンピュータやソフトウェアが進歩し、大量のデータが処理できることからこれらの効果も高まり、全体的なコスト削減につながっている。3点目に、修正が比較的容易な点が挙げられる。従来3Dデータは3D CADを利用していたが、3D CADは二次元(図面)を作製し3D化させる技術で、3D化した後に修正が入った場合、関連する2次元の図面をすべて修正しなければならず、膨大な工数がかかっていた。しかしBIMは最初から3Dで設計し、3Dから図面を作成するためすべての図面が自動で修正可能で、無駄な作業を大きく削減して生産性向上に寄与するとされている。

アメリカのScanForce社は、自宅やオフィスなど建物の3D間取り図を正確で詳細かつ素早く提供している。また、3Dデータを活用し、部屋の移動や360°視聴が可能な360°フォトチュートリアルで3Dフォトウォークスルーもできる。ゼネコンや施工主にとっては建築の計画立案、文書化、マーケティングにおいて有効な手段となり、所有者にとっては自宅のイメージがしやすいというメリットがある。

このBIMのテクノロジーを建築のみならず、土木にも活用しようと考え出された概念がCIM(Construction Information Modeling/Management、コンストラクション・ビルディング・モデリング/マネジメント)で、道路、電力、ガス、水道などインフラ全般を対象としている。なお、2018年5月に国土交通省は建築分野の「BIM」、土木分野の「CIM」としている概念を改め、建設分野全体の3次元化を指す総称として「BIM/CIM」に名称を統一した。これは国際的には3D化の取り組みを「BIM」で一般化していることに因る。

日本では、人口減少による使用料収入の低下、人材の減少、老朽化施設の増加など、現在の下水道事業には様々な課題が顕在化してきており、より効率的な事業の実施が求められている。また、狭い範囲で短時間に大量の雨が降る「集中豪雨」や、予測が困難な突発的な大雨である「局地的大雨(ゲリラ豪雨)」などで下水処理能力を上回る雨が頻発し、防災・減災のあり方を検討する必要がある。さらに、人口減少社会における汚水処理の最適化、エネルギーや地球温暖化問題への対応、安定した処理水質による地域に望まれる健全な水環境の創造、など下水道事業に求められる役割は多くなっている。

国土交通省では、これらの下水事業の抱える課題解決のため、「i-Gesuido」プロジェクトに取り組み始めた。この「i-Gesuido」は、BIM/CIM技術の活用が検討されており、2017年に「下水道BIM/CIMを導入するモデル事業」の募集を行った。これにより、BIM/CIMを活用することでどの程度の情報の見える化、意思決定の迅速化、設計ミスの減少等の効果が見込めるかが検証される。

BIM/CIMの延長上にはVRを利用した新技術・サービスが検討され、今後ますます期待されている。

主な技術要素

3DCG、データベース、構造解析技術、3Dプリンタ、3次元スキャナー、施工シミュレーション、情報化施工、マシンコントロール技術、建設ロボット

確かなデータに基づき、
未来を予測する。
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